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5月11日(火) イン ドネシアつながり
2010/05/11(Tue) | お店日記 | page top↑
 おとといの日曜日、ご近所にポスティングしたチラシを見て、きょうひとりの男性が店を訪ねてくださった。「何かアジアの雰囲気がしたものですから」と言われる60歳前後のその方は、聞くと2003年から6年間インドネシアのジャカルタに駐在されていたとのこと。「そうですか。私たちは2003年までバリ島にいました」と、しばしインドネシア話に花が咲く。棚に並んだバリのアタバッグを見て「家内が好きで家にたくさんありますよ」。「家内のインドネシア語は完璧でした」。「家内はジャカルタにたくさん友人ができて楽しんでいました」。としばしば奥様の話になる。私が「今度はぜひ奥様もごいっしょに来てくださいね」と言おうとした矢先、「でも去年の夏に家内はなくなりました」と言われ、一瞬言葉を失う。出張の多い仕事だったので、定年退職したら今度はふたりでいろいろ旅行したいと思っておられたそうだ。その夢はかなわなかったが、その後この方は奥様の遺影とともに2度の旅行をされたということだった。
5月10日(月)レイン・スティック
2010/05/10(Mon) | お店日記 | page top↑
 南米のチリから来たレイン・スティック(雨の棒)という楽器とも癒しのツールとも言える商品があった。あったと過去形で言うのはきょうお客様に買われていったからだ。
50㎝ぐらいのサボテンの木でできていて、傾けると中に入っている種が落下してシャラシャラとよい音がする。雨の音に似ている。50㎝しかない割に長く音がするのは、内側にくさび(サボテンのトゲ?)が打ち込んであってそれに種が当たりながら落ちていくからだ。楽器にも使われるが、古い時代には雨乞いに使われたということだ。先日、つい最近までチリに住んでいたという女性が「なつかしい~」と窓際に置いたレイン・スティックを見て入ってこられた。でもきょうお買い上げいただいたのは別の方。もう何度かご来店いただいている私と同年代の女性Sさんが、きょうはお連れ合いを伴って来られた。「ずっとこれが気になっていました」とSさん。となりにいたお連れ合いさんが「これをプレゼントにしてください」。私が「もらわれた方喜ばれますね。どなたにですか?」と聞くと「この人」と横のSさんを示される。近々Sさんの還暦のお誕生日に子や孫が集まるので、その席でプレゼントしたいというご意向だった。家族に囲まれた仲のよいSさんご夫婦が、にこにこしながらレイン・スティックを披露される様子が目に浮かんで、私も嬉しくなった。
5月8日(土)世界フェアトレードデー
2010/05/08(Sat) | お店日記 | page top↑
 毎年5月はフェアトレード月間。その第2土曜日(今年はきょう)は世界フェアトレーデーとして、世界各地でフェアトレードをアピールするイベントが行われる。5月に日本各地で行われるイベントの数々は次のとおり。
http://www.wftday.org/2010/events/list/index.html
今年のエスペーロは、開店直後のため自分の店だけで精一杯だったが、来年は何かイベントにからんでいけたらと思っている。毎日「K通信」を送ってくださるKさんが、きょうはフェアトレードのことを取り上げてくださった。エスペーロの紹介もしてくださっているので、ここに転載させていただく。

・フェアに行こう――箕面にフェアトレード雑貨店がオープン
 「バングラデシュに住むフィロザ・ビーガムにとって、フェアトレードは彼女の人生だけでなく、娘や孫娘の人生までも変えた。定期収入のおかげで、まず娘のナルジスが女の子としては初めて学校へ行くことができた。学位を取得後、ナルジスは村で学校を開き、現在、6人の先生たちが175人の生徒を教えるところまで発展した」。こんなリポートがいま発売のホームレス自立支援誌「ザ・ビッグイシュー」(142号)に掲載されています。
 知り合いの斎藤和子さんが、フェアトレードのお店「espero」を4月末にオープンしました。開店して10日ほど、小さなかわいい店舗ですが、並んでいるのは、ペルーのコーヒーや、インドのオーガニックコットンで作った衣類、ブラウスなどのほか、バッグやポーチ、またオリーブオイル、スパイスなどいろいろ。
 経済評論家の内橋克人さんを、ぼくは「ホンマモン」と高く評価しています。その内橋さんが著書「共生の大地―新しい経済がはじまる」(岩波新書)の冒頭でこう書いています。
 「『一人は万人のために、万人は一人のために』の言葉に象徴される『協同の思想』は、資本主義でも社会主義でもない、もう一つの流れである。この思想を実践に移した「ロッチデール綱領」が生まれ、生活協同組合運動がイギリスのロッチデールで始まってから150年余り、今も『いのち、くらし、自然を守る』をスローガンとするフェアトレード(公正貿易)運動などとしても引き継がれている」と。
 貧困に悩む地域が多いアジア、アフリカ、中南米の国々は、本来、自然の資源に恵まれていました。ところが、いわゆる先進国の過酷な搾取的取引を余儀なくされ、生活を向上できずにきました。日本でいえば、小泉・竹中流の「規制改革・新市場主義」がその最たるもので、日本のなかにも大きな格差をもたらしました。現在求められるのは、生産地の農民の人たちも、あるいは女性も、公正な取り引き、適正な利益を売られる仕組みのなかで職を得、自立できる「経済」です。「経済」は一部の力の強いものだけに貢献するものであってはならないという考え方です。
 フェアトレードの店は北摂では、たとえば箕面の滝道で試みられたことがあったそうですが、常設店としてはおそらく初めてのようです。場所は、山麓線の皿池公園の近く、菓子店「薩喜庵」の斜め向かい。斎藤和子さんは「生産地のフィリピンなどでも、買ってくださる方に喜ばれるいい物が作られるようになりました。牧野直子さんの『結みのお』の皆さんや、阪大外国語学部の学生さんが応援してくださっています」と、地域に支えられる手応えを感じはじめているようです。
 フェアトレードの商品は、決して「安さ」が目的ではありません。場合によっては少し高めかもしれませんが、生産する貧しい国々の人々も、そして輸入国の消費者も満足する「ウイン・ウイン」のフェアな取り引きで成り立つことをめざしています。ぼくは、コーヒーをよばれましたので、今度訪れたときはコーヒーを買うつもりです。
5月7日(金)雨降り
2010/05/07(Fri) | お店日記 | page top↑
 開店以来はじめての雨の日だ。家から店まで歩いて行く。バス停ふたつ分だから10分もあれば行ける。店舗を近くにしてよかったと思った。雨の中お客さんもなく、ドアを閉めると静かな店内には私とCDの音楽だけ。今流れているのは中南米のフォルクローレだ。フォルクローレってどうしてこんなに心を揺さぶるのだろう。もしかしたら自分の先祖はペルーかボリビアあたりの人だったのではないかと思うほどだ。古代インカの魂は、現代人の心にもまちがいなく語りかける力を持っている。
5月6日(木)連休明け
2010/05/06(Thu) | お店日記 | page top↑
 連休が終わって、世間に日常がもどってきた。エスペーロも一息ついた感じだ。連休で品薄になった棚を埋めるべく、商品の注文をする。夕方、見覚えのある学生さんが来店してくださる。私が3月まで働いていた大阪大学外国学図書館をよく利用していたNさんだ。「阪大のNさんですよね」と言うと「あ、図書館の・・・」とお互いにあいさつ。ゼミのK先生が紹介してくださったそうだ。「エスペーロってどういう意味ですか」と聞かれたので「エスペラント語で“希望“という意味なの」と言うと「いい名前ですね」。すぐ近くに住んでいるということで「また来ま~す」と自転車で軽やかに帰って行かれた。大学図書館でも若い人たちに会えるのが楽しみだったが、ここにも若い人たちにたくさん来てほしいなあと思った。
5月5日(水・祝)柏餅
2010/05/05(Wed) | お店日記 | page top↑
 きょうはこどもの日。そして、こどもの日といえば柏餅。私が子どもの頃は、母が家でちまきと柏餅をつくってくれたものだ。うちの方では、柏餅に柏の葉ではなく、山から採ってきた山帰来(さんきらい)の葉を使う。まんまるいのでサンドイッチのように餅の両側から挟むとちょうどいいのだ。私は家を出るまでずっと、柏餅とはそういうものだと思っていた。お店に来られたMさんが「きょうは子どもが出かけちゃっていないから柏餅はやめにしようと思ったけど、やっぱり食べたいな」と言って、エスペーロななめ前の「薩喜庵」さんで柏餅を買って帰られた。私たちも、連休が終わって子どもたちはそれぞれの場所へ帰ってしまったけど、やはり「薩喜庵」で柏餅を買って帰って大人3人で食べた。おいしかった。
(写真は「ぽ~らのはぁぶのじてん」HPより「山帰来(さるとりいばら)の葉」)
5月4日(火・祝)若いファミリー
2010/05/04(Tue) | お店日記 | page top↑
 よいお天気が続く連休なので、行楽の家族連れが多い。奈良へドライブに行くというUファミリーが立ち寄って下さる。聞くと、自分の車はすでに手放して、休日などたまに必要な時だけレンタカーするのだそうだ。 「けっきょくその方が得なんですよね」。そう、その通りよね。駐車場代もいらないし、車検、税金もいらない。そして何よりエコライフ。若いのにかしこいご夫婦だ。ひとり娘のまなちゃん(6ヶ月)は病院でなく自宅で出産したと聞いてまたびっくり。インドのサリー生地でつくった、かわいいワンピースを買って行かれる。あのワンピースを着たまなちゃんにまた会いたいな。
(インドのサリーの端切れからできたかわいいキャミドレス ¥2,900)
5月3日(月・祝)憲法記念日
2010/05/03(Mon) | お店日記 | page top↑
 きょうは憲法記念日。日本国憲法が施行されてから63年目の記念日だ。例年なら箕面のピースウォークに参加しているところだが、今年は店があるため残念ながら不参加。せめて胸にピースリボンをつけていっしょに参加している気分になる。日本の憲法の宝はなんといっても「もう二度と戦争をしない」と決めた憲法9条だ。憲法9条は日本の宝であるばかりでなく、外国の人たちからも尊敬を集めている。ところが今、その憲法が9条を含めて見直し、改憲という危険にさらされている。戦争というあやまちを二度と繰り返さないために、そして被害者にも加害者にもならないために、憲法9条は絶対に守っていかなければならない。
5月2日(日)卵を使わないクッキー
2010/05/02(Sun) | お店日記 | page top↑
 夕方、閉店間際に、友人のF夫妻が来店してくれる。いろいろ選んだ品物の中にネパリ・バザーロのフェアトレード・クッキーがあった。ネパリのクッキーは、ネパールから輸入したオーガニックの紅茶、コーヒー、ジンジャー、シナモンなどを原料として横浜の福祉作業所で作っている。卵は使っていない。「あ、それ卵不使用だから」と言うとFさん大喜び。というのもFさんのお孫ちゃん(10ヵ月)が卵アレルギーのため、授乳しているママも卵入り食品を食べられないという状況が続いていたからだ。アレルギーの子を持つママは、食べ物のことで人知れず苦労していると思う。育児の合間のティータイム、ネパリのクッキーと紅茶でほっとできるといいね。(卵を使っていないので卵アレルギーの人にも安心。紅茶、ジンジャー、コーヒー味など 各¥346)
5月1日(土)幸せを運ぶツバメ
2010/05/01(Sat) | お店日記 | page top↑
 きょうもいろいろなお客様が来てくださったが、中でもきょうはこれまでで一番年配の女性が来てくださった。近くにおひとり住まいで、何のお店ができるのかなあと楽しみにしてくださっていたそうだ。コーヒーを飲みながら話していて、テリーが「失礼ですがどちらのご出身ですか」と聞いた。私も同じことを考えていた。というのも言葉のアクセントが私の出身地広島県と同じだったからだ。聞くと、やはり広島のご出身だった。話しているうちに私は自分の母親と話しているような錯覚におちいった。そのときふと窓の外を見るとテントの中にツバメが飛んで来ていた。そばでドアの調整をしてくれていたシンさんが「ツバメは幸せを運んでくるといいますよ。お店にはいいしるしです」と言うと、私と同郷のその女性も「そうですよ、ツバメが来るのはまんがええといいますからね」と言われる。「まんがええ」。ああ、なんとなつかしい広島弁だろう。
(写真は巣作りの相談をするつばめのカップル)
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