
エスペーロの近くにT寺というお寺がある。聖徳太子の時代以来という由緒正しい名刹である。そのT寺のお嫁さんKさんが、きょうネパリ・バザーロのかわいらしいうさぎのスプーンとフォークをお買上げくださった。11月に生まれる初めての子どもさんのためだ。「ちょっと気が早いんですが・・・」と。いえいえ、そんなことはありません。初めての子どもを待つ喜びは尊いし、そうやって待たれる子どももまた幸せというものだ。

T寺のような由緒あるお寺にお嫁に来るというのは、どんな感じなのかなと思う。「箕面は新しい町かと思ってお嫁に来たけど、来てみるとお寺のまわりは古い村でした。この村に久々の嫁を迎える、と言われました」。村が嫁を迎えるという雰囲気だったそうだ。「でも、みなさんに教えてもらい、助けられながらお寺の仕事をしています。ありがたいです」。

お寺というのは自分の家であって、同時に地域の家でもあるようなところがある。それなりにご苦労も多いことと思うが、「みなさんが生まれてくる子どもを楽しみにしてくださっています。明日の検診で男の子か女の子かわかるので、また報告しなくっちゃ」と言われるKさんの聡明な横顔を見ながら、地域の中でしあわせに子育てをされるよう、心の中でエールを送った。