
娘さんに赤ちゃんが生まれて、若いおばあちゃまになられた。エスペーロのブックカバーを見て、母子手帳をくるむととてもいいんじゃないかと思われたそうだ。大きさも文庫サイズが母子手帳にぴったりなのだ。
母子手帳は妊娠がわかってから赤ちゃんが生まれるまで、生まれてからもずっと大きくなるまで、病気になるたびに役に立ってくれる手帳だ。大事に保管したい。それにきれいなカバーには、元気で育ってという暖かい気持ちが込められるような気がする。
バングラデシュから来たこのノクシカタ刺繍のブックカバーには、かわいい象さんとともにバングラデシュの言葉が刺繍されている。バングラデシュの言語ベンガル語で「バングラデシュ」と刺繍されているのだそうだ。ピンク、ブルー、グリーンの3色(900円)。
豊中市の千里中央にある「コラボ」(千里文化センター)で「コラボまつり」が行われている。「コラボ」の中には市民ボランティアが運営する「コラボカフェ」があって、まつりの間いろいろなテーマでイベントを行っている。きょうはテーマが「フェアトレード」の日で、エスペーロもゲストスピーカーとして参加させてもらった。
まず、世界の子どもたちを児童労働から守るNGOのACE(エース)が制作したDVD『おいしいチョコレートの真実』を鑑賞。カカオ農園に駆りだされる子どもたちは、過酷な労働で健康的な発育を阻害され、学校へも行けず、ましてやチョコレートなどは食べたこともない。
そのあと、フェアトレード店の店主として、私がフェアトレードについてお話させていただいた。開店して半年もたたない私がお話しするのもおこがましいのだが、なぜフェアトレード店を始めようとしたのかというあたりから聞いてもらった。ずっとさかのぼると、フェアトレードにつながる端緒として、20年ぐらい前に読書会で読んだ犬養道子著『人間の大地』(中央公論社)があったと思う。さまざまな形で現われる「南北問題」、そしてそれは知らないではすまされない自分とつながる問題であること。ぜひいちど読んでいただきたい一冊だ。
フェアトレードの絵本『おかいもの ちょっとかんがえてみて』を読んでもらったあと、参加者でいろいろと話した。ある方が「フェアトレードがチャリティーではなく対等な立場のものであるなら、フェアトレード店もちゃんとビジネスとして儲けがでなければいけないんじゃないですか」と痛いところを突かれた。そのとおりだ。エスペーロももうちょっと企業努力が必要なところだ。
きょうはフェアトレード製品の販売もさせていただいた。さすが千里中央は立ち寄る人の数も多く、おかげさまでひとつひとつ説明しながら、多くの雑貨や食品をお買上げいただいた。感謝。

昨夜のテレビ番組『NHKスペシャル』では、COP10の大きなトピックのひとつでもある「バイオ・パイラシー」を取り上げていた。 「バイオ・パイラシー」は「生物資源の盗賊行為」と訳されている。簡単に言うと「発展途上国の植物を使って先進国が新薬 を作るとき、その利益配分をどうするのか。先進国ばかりがもうけるのは生物資源の盗賊行為ではないのか」という問題なのだ。

この「ウンカロアボ」だけでない。ペルーで採れる 「チャカンガ」という木の樹液は下痢止めの特効薬だ。アメリカの製薬会社は植林をして自然保護をアピールしていたが、利益の2%を先住民へというのは、少なすぎはしないだろうか。

発展途上国で先住民の知恵として伝統的に利用されてきた植物の力は驚異的だ。そしてそれを商品化することで、世界中の人たちの病気が治ることもすばらしい。ただ、そこに至る過程で、先進国のエゴによる搾取があってはならない。先住民の知恵と伝統に対しては、正当な対価が支払われるべきだと思う。
COP10でこのテーマがどう話し合われるのか、注目していきたい。

読書の秋をちょっとおしゃれに演出するブックカバーのご紹介。
山羊革、ノクシカタ刺繍、刺子ししゅうなど、色も柄も楽しいものがいっぱい。サイズは文庫本用と新書版用の2種類があって、山羊革新書版にはおそろいのしおりもついている。プレゼントにも喜ばれるアイテムだ 。
先日、山羊革のブックカバーをお買い上げの女性「電車の中で何の本読んでるか見られたくないもんねえ」。そうですね、きれいなカバーで隠しちゃいましょう。(ブックカバー各種 900円~2400円)
イカオ・アコ http://www.ikawako.com/
Tさんは大学を卒業した後1年間、フィリピンのネグロス島(マスコバド糖の産地でもある)にある、このイカオ・アコで働いた。もともとマングローブの林をつくるNGOだったが、今はフェアトレード部門もあって、こういうバッグやリサイクル・ペーパーのアクセサリーなども作っている。このビニールバッグ、拾い集めたジュースのパックをきれいに洗って乾かし、ミシンで縫い合わせて作る。軽くてじょうぶだ。よく見るとストローの穴があったりして、ちょっと笑える。

材料費が要らない、ごみが片付くという究極のエコだ。こういうバッグ、アジアにはよくあるようで、ベトナムに住む友人のブログでも見たことがある。そして、このバッグを縫う仕事が女性たちに雇用を生み出していると言う。バッグが持つユニークさと物語性がおもしろいと思った。そのうちエスペーロの店頭にも並ぶかも。
エプロンこそしているけれども、小柄で若くて、聞かなければとてもひとりで農業をしている風には見えない。約500坪の(反、畝がわからない私のために坪で言ってくれた)畑をひとりで耕作して、ひとりで朝市に出して、ひとりで宅配しているという。500坪、すごいねえ、と言うと「いえ、農家としてはすごく狭いけど、1人でやるにはちょうどいい」のだそうだ。
除草剤など使わないわけだから大変でしょうと言うと「まだ苗が小さいうちは草に負けてしまうので手で取りますが、野菜がしっかりしてくれば、抜かないでほっておきます。緑が茂っているのは好きですから」。
晴苗(はるな)さんというのは本名だそうだ。子どもの頃は農家の子みたいでいやだったけど、今はぴったりの名前になって嬉しいとか。サルンポワックやノイカフェなど、箕面のおしゃれなカフェにも野菜を卸しているそうだ。個人のお客様も、川西、箕面、池田、豊中など、だんだんに増えていっているとのこと。
私の方も、フェアトレードの食品が無農薬で作られていることや、オーガニック・コットンの話などを伝えることができた。
お買い物の後「これからトンネルを通って帰るの?」と聞くと「いえ、山越えです」。そうよね、毎回有料トンネルを通っていられないものねえ。「気をつけてね。また配達に来ることがあったら寄って」。がんばって、と心から応援しないではいられない、とてもすてきな女性でした。
晴苗農園 http://harenae.exblog.jp/

ふたりは、結婚式の引出物をエスペーロで揃えてくれた。もともとフェアトレードに関心のあるふたり、カタログを見ながら迷いながら、写真のようなチョイスをしてくれた。インディアンケース・キャンドル、おまもりパレワストーン、ヒマラヤコーヒー・ドリップパック、フェアトレードクッキ

ひとつひとつは小さなものだけれども、寄せ集めてとても楽しいギフトができたと思う。私もふたりのしあわせを願いながら引 出物の箱詰めをした。それぞれの商品の説明も同封してもらった。こういうしあわせな場所からまたフェアトレードが広がっていくことはとてもうれしい。
場 所: 千里文化センター「コラボ」2階多目的スペース(千里中央)
ゲスト: フェアトレード雑貨エスペーロ 斎藤和子
内 容: フェアトレードについての絵本やDVDを見たりフェアトレードの話を聞いたりしながら、フェアトレードを身近に感じていただけたらと思います。フェアトレード商品の販売も行います。
お問い合わせ: 千里文化センター「コラボ」 ☎06-6831-4133
JICAまつりhttp://www.jica.go.jp/osaka/event/index.html#a1023-01
場 所: JICA大阪国際センター(茨木市西豊川町25-1)
お問い合わせ: JICA大阪国際センター ☎072-641-6904