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1月19日(水)コスタリカの青年弁護士
2011/01/19(Wed) | お店日記 | page top↑
コスタリカは面積が九州と四国と足したくらい、人口わずか400万人の中米の国である。日本の憲法9条のように「軍隊を持たない」ことを明記した憲法があり、また政治的には中立宣言をしている。

2003年、アメリカがイラク戦争を開始し各国に支持を呼びかけたのに対してコスタリカが支持を決定した時、当時大学生だったロベルト・サモラさんはそれを違憲であるとして最高裁に訴え勝訴した。「ひとりの大学生が国を変えた」ニュースは世界を驚かせた。

ロベルトさんは今や30歳の青年弁護士。「日本の9条を世界に広げよう」と平和の活動を続けている。水曜日の夜大阪でロベロベルト・サモラさん ルトさんと語る集会があったので行ってきた。勇気ある青年をひと目見たかった。会場には80名の市民が集まっていた。

しかし話を聞くうちに「軍隊を持たない国コスタリカ」の現実はとても厳しいことがわかってきた。2003年の時とは情勢も変わってきているようだった。その後も国の核開発やアメリカ駐留決定を違憲として次々に提訴するロベルトさんは、次第に政府や最高裁から「やっかい者」と見られるようになった。「ロベルトに依頼しても最高裁で負ける」と評判になり、弁護士の仕事も来なくなった。

「電話やメールは盗聴され交信の自由がない。身の危険を感じながら生活している。でも信念をまげるぐらいなら殺されてもかまわない」というロベルトさんの言葉に、会場はあわてた。「だれか支援してくれるグループは国内にないのですか」という質問も相次いだが、ロベルトさんは国内で孤軍奮闘している感じだった。

今、麻薬取締りを理由に米軍が駐留し、また領土をねらって隣のエクアドル侵攻しているそうで「これからの動向に注目してください」と言っていたが、日本のマスコミはそんなこと教えてくれそうにもない。

経済的な後ろ盾もないロベルトさんが、まるでセールスマンのようにスーツケースいっぱいのコーヒーやチョコレートを会場で販売していたのが、なんだか切なかった。
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