
Sさんは自分の家で5匹の猫を飼っている。それだけでなく、Sさんは路上にいる猫たちがふびんで、里親を探しつつ、でもほっておけなくてえさをやっている。えさをやるだけではどんどん野良猫を増やしてしまうかもしれないので、獣医さんへ連れて行って自分のポケットマネーで去勢、避妊の手術を受けさせている。理解のある獣医さんが手術代を半額にしてくれるのだそうだ。「猫のために働いているようなものねえ」と私。
野良猫は人に拾われてもなかなか人間になじめないのだそうだ。人間にかわいがられた経験がないのと、自分の力で生きてきた自負(?)があるからだ。なんだか、ミュージカルのCATSを思い出す。
以前、Kさんの友達が猫の親子を路上から拾ってきた。母親猫と仔猫4匹だ。仔猫はまだしも、母猫がどうしてもなじめなくて落ち着かない。ある日、母猫はスキを見て窓に上り、少しだけ開いていた窓から網戸を破って外へ飛び出した。仔猫3匹も母のあとに続いた。ところが、そこはなんとマンションの9階だったのだ。のろまな仔猫が1匹だけ残された。なんと痛ましい話だろう。
私自身は猫にはあまり縁がなく犬派なのだが、きょうのこの話が衝撃的でなかなか頭から離れない。