
最終プログラムは「浪花の歌う巨人パギやん」こと趙博さんの声体文藝館『泥の河』(宮本輝原作)。うわさに聞いていたパギやんの舞台は期待以上にすばらしかった。昭和31年の大阪がいきいきと表現される。あの頃はみんな貧しかったけど、原発の心配はなかった・・・と思うと涙が出た。
打ち上げのあいさつで、会場は藤本幸久監督と影山麻子プロデューサーに惜しみない拍手を送った。7ヶ月かけて全国上映をやり遂げる、その強い意志力と機動力に敬服だ。
あいさつの中で藤本監督は、シネマ神戸の社長である三幣さんについてもふれた。「九州をキャラバンしている時に、新聞でキャラバンのことを知った三幣さんから電話をもらって、ぜひシネマ神戸でやってくださいと言ってもらった。今78歳の三幣さんは15年ローンでこの二つ目の劇場を買ったばかりだ。その心意気がすごい」。一つ目の劇場にかけられるロマンポルノで稼いで二つ目の劇場でほんとうにやりたい作品をかけるということのようだ。すごい人だ。実は三幣さん、エスペーロにも協力してくださって、フェアトレードチョコレート50個を劇場に置いてくださっている。
家へ帰ってテレビを見たら、原発の状況がまた一段と深刻になっていて気が重くなった。