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5月27日(金)被災者への共感
2011/05/27(Fri) | お店日記 | page top↑
大震災から2ヶ月半がたちましたが、被災地での状況はいっこうに良くならず、原発事故の前に「復興」の声もむなしい状態が続いています。

私たちが被災地の状況を知るときは、死亡者が15000人、行方不明が8600人、避難者が103,000人、放射線量が浪江では18マイクロシーベルト、飯館では3マイクロシーベルトなどという数字です。毎日そういう情報を聞かされると、だんだん数字に慣れてきて、我ながら反応しなくなるのがこわいのです。数字とはそれほど無機質なものです。

ところが被災者個人の体験はまったく別物です。たとえばパレスチナ・オリーブ(仙台)の代表である皆川さんのきょうのブログを読んでみてください。http://himar-diary.jugem.jp/ 「喪失感」が私たちにもひしひしと伝わってきます。自分たちを助けてくれた人が亡くなってしまった、家族を亡くした子どもが授業中に急に泣きだす、など日常でない生活があります。

あるいは被災地支援に入っているネパリ・バザーロさんhttp://nbazaro.org/wordpress/の報告書には、ほんとうに生きるか死ぬかの瀬戸際で命を取りとめた方の手記が載っていました。少し抜粋させてもらいます。

父も母も追っては来てくれませんでした・・津波の直後、雪が降りました。だんだんと日もかげり、人生で一番怖くて、暗くて、冷たい、長い夜が始まりました・・・(夜が明けて)160センチ以上ある私の胸までの汚水を掻き分けての脱出で、体の心から冷え切っていました。こどもたちを背負ってくれた人たちがいなかったら、いま、私たちはここに存在してはいられませんでした・・・父と母が命がけで守ってくれた子ども達がいて、主人も兄もいるのに、わたしの心には常に強い孤独感があります。1人になるとさらに強くなって押し寄せてきます。子どもたちも苦しみながら、なんとかこの苦しみ悲しみを自分なりに消化しようとしています・・・すぐには立ち直れません・・・

被災者の方たちは一人ひとり状況が違うだろうと思います。被災者とひとくくりにできない、それぞれの過酷な体験をされているはずです。安全なところにいる私たちは、その人たちの話を聞くことで少しでも共感する気持ちを持続させたいと思います。
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