
ちなみに代表の片岡勝さんはフェアトレードという言い方がなんとなく「上から目線」に聞こえるので好きではなく、したがって第3世界ショップは「コミュニティトレード」という言葉を使います。
片岡さんの著書『問題解決ビジネス』の中にはいろいろとおもしろい例が出てきます。たとえばフィリピンで穀物を侵食するコゴン草という草を退治するためにこの草で紙作りを開発し、草退治と同時に地元での仕事作りとした例とか、バングラデシュで大洪水が起こると、代金前払いで手工芸品をたくさん買い上げた例とか、フェアトレードの具体例がたくさん紹介されています。
片岡さんはまた、ボランティアでは長続きしない、ビジネスとしてちゃんと成立させなければ、ウィンウィンをたくさん作らなければだめだと言います。

きょうは第3世界ショップとそこに集まった人たち、それに全国8箇所のショップを結んで「コミュニティートレード研修会~コミュニティーに多様な求心力を」が行 われました。スカイプを使ってお互いに意見を言い合うことができます。デジタルインフラの進歩は、わざわざ人が同じ場所に集まらなくても、スカイプのように意見を交換し合える便利な時代をもたらしました。
片岡さんは「3.11以後社会はまったく別のものになった。政府にはもう頼れない。市民が地域で力を発揮する時代だ」と言います。ショップもただ物を売るのではなく、地域が必要としていること、問題となっていることに注目してビジネスをやっていく時代だという、なかなか刺激的なお話でした。