
Fさんは12月に2週間、息子さんが住むネパールの田舎を訪ねてきたばかりです。息子さんはネパール人の奥さんと二人で農業を営んでいますが、農閑期には奥さんのティンさんが作る手芸品の販売にも取り組んでいます。
私はまずこのビビッドカラーのキャップに惹かれました。ポップでかわいくて楽しくなるコットンのキャップです。

ウールニットのキャップはこちらです。今の季節はまだこ ちらがいいかもしれませんね。
息子さんのM人さんが書かれたニュースレター「ネパール・ほっとでーたー」から抜粋させていただきますと・・・
手仕事の季節
ネパールでは、日本の年末年始というような実感が全くない日常です。稲の刈入れも終わり、寒さが増すこの季節。日中、軒先でミシンを動かす人、チャルカ(紡毛機)を回し羊毛を紡ぐ人、ワラでムシロを編む人を見かけます。
農作業が比較的少ないこの季節、ティルさんが日本向けにハンディクラフトつくり(縫製・編み物)をして収入を得ています。
既に知っている人は、農業しながらハンディクラフトで「お小遣い」を稼いでいると思われているかも知れないのですが、実際にはハンディクラフトで得られる収入の方が圧倒的に多く、農産物で得られる収入の方がお小遣いなのです。プロ農家と名乗るには力不足の僕たちは、農業しながらいろんな方法で生計を立てる手段を模索しています。
M人さんを訪ねたFさんの話では、ネパールの電力不足は日常茶飯事なので、昼間は電気を使わずに窓辺や外で仕事、食事の煮炊きには電気を使わないで、牛糞から取ったメタンガスなどを利用しているそうです。M人さんは日本で農業の勉強をしていた時にネパールからやはり農業を学びに来ていたティルさんと出会いました。Fさんのお話を聞きながら、ネパールの田舎で自給自足に近いサステイナブルな生活を送る若いご夫婦に思いを馳せました。
(コットンキャップ ¥1,500、 ウールニットキャップ ¥2,000)

東日本大震災に遭遇した2011年は、自然の脅威におののき、犠牲の大きさにうなだれ、原発の理不尽さに憤りを爆発させた1年でした。だれもがこの事態に対して自分に何ができるのかを考えあぐねた1年でもありました。
フェアトレードは途上国の生産者が貧困から自立できるよう産品を継続して買う貿易ですが、今、被災地にフェアトレードと同じ手法が生かされつつあります。被災地に仕事をつくり産品を買う国内フェアトレードです。
国内外を問わず、人が人として尊厳を持って生きられる社会をめざして、今年もまたエスペーロは微力ながら歩んで参りたいと考えております。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
2012年初春 エスペーロ 斎藤和子 斎藤輝久