
ここのところマスコミを賑わしている尖閣諸島問題について、冷静にしかし心情あふれる記事を寄せられています。ぜひどこかで全文をお読みいただきたいと思いますが、かいつまんでご紹介します。
東アジア地域は長い道のりを経て、この20年固有の「文化圏」を形成してきた。文学、音楽、映画などを通して、中国や韓国は身近で親しみ深い国になってきた。その道筋が政治家や論客の威勢のよい言葉で破壊されることを恐れる。
(以下抜粋)
文化の交換は「我々はたとえ話す言葉が違っても、基本的には感情や感動を共有しあえる人間同士なのだ」という認識をもたらすことをひとつの重要な目的にしている。それはいわば、国境を越えて魂が行き来する道筋なのだ。
さらに、領土問題が実務課題を超えて「国民感情」を扇動するようになる状況を「安酒の酔い」にたとえています。
(以下抜粋)
安酒はほんの数杯で人を酔っ払わせ、頭に血を上らせる。人々の声は大きくなり、その行動は粗暴になる。論理は単純化され、自己反復的になる。しかし賑やかに騒いだあと、夜が明けてみれば、あとに残るのはいやな頭痛だけだ。
いやな頭痛だけで終われば二日酔いで済みますが、それが戦争という悲劇へと結びついたのが過去の歴史でした。
最後に村上さんは私たちが取るべき態度を次のように示唆してくれています。
(以下抜粋)
「我々は他国の文化に対し、たとえどのような事情があろうとしかるべき敬意を失うことはない」という静かな姿勢を示すことができれば、それは我々にとって大事な達成となるはずだ。