fc2ブログ
11月27日(火)バングラデシュの工場火災
2012/11/27(Tue) | お店日記 | page top↑
先週バングラデシュの首都ダッカの縫製工場で大きな火災が発生し、120名以上の人たちが死亡しました。その多くが工場で女工として働く若い女性たちです。火災が起こった時の消火体制や避難経路などが整っていなかったためにこういう惨事になったようです。

グローバル繊維産業の工場は、少し前までは中国に集中していましたが、中国の経済が発展して人件費が高くなったため、今では工賃の安いバングラデシュへとシフトしています。おかげでバングラデシュは繊維立国として若い女性を中心に多くの雇用を生んでいますが、問題はその労働条件と労働環境です。低賃金のため、働いても働いても食べていくのがせいいっぱい。おまけに長時間労働の休憩なし、厳しい監督の目にさらされながら衛生状態の悪い工場で一日中働かされているのです。中には重労働から逃げ出させないために外からカギをかけているところもあり、そのことがかつての火事で逃げ遅れの原因になったこともありました。

『ガーメントガールズ~バングラデシュの衣料工場の女工たち』(2007年garmentgirls.jpg タンヴィール・モカメル監督)というドキュメンタリー映 画を観たことがあります。農村から出稼ぎにきた若い女工さんたちが工場で働く日々を追っています。都会へのあこがれもあって農村から出てきますが、住居費や食費がやっとで仕送りもままなりません。「田舎にいても貧しいのなら都会の方がいい」という彼女たちですが、弱い立場ゆえに低賃金でいいように働かされているのです。組合活動もあるしデモやストも行われているようですが、まだまだ遠い道です。

そんな状況の中でフェアトレードはひとつの改善方法です。賃金や労働環境について厳しい基準があるからです。実際バングラデシュではいくつかのNGOや組合を中心にフェアトレードが重要な意味を持っています。私たちが日本で外国からの衣料品を手にしたとき、どういう人たちがどういう工場で作っているのかを確認できるのがフェアトレード。まちがっても、人権を守らないような工場で作られた衣料品は身につけたくないですね。

(写真は『ガーメントガールズ』)


 ホームに戻る