
今回のレポートでは、オリーブオイルの中心的な輸出先であるヨーロッパが不況のため、販売高はここのところ減少傾向だという記事がありました。日本も不況は例外ではありません。さらに3.11で仙台も被災地となりましたから、パレスチナ・オリーブさんも大変なご苦労をされたと思います。
それから、オイルを濾過するか無濾過かという記事がありました。一般のオリーブオイルはフィルターで濾過されていますが、パレオりさんのオイルをつくっているシンディアナの工場は、これまでノンフィルターでやってきました。その方が栄養も風味もじゅうぶん残るからです。ところがボトルの底に沈殿する澱(おり)に対するクレームが多くなりフィルターを使うことにしたのだそうです。でも「シンディアナとしては手間でもあるし、濾過する際にオリーブオイルの量も減るので無濾過を希望するならそうもできるしありがたい」ということでパレオリさんは無濾過を選択されたそうです。パチパチ(拍手)。だって、澱は「生搾りのジュースの底に細かい果肉が沈殿するのと同じ」ですものね。どうしてそう「見てくれ」にこだわる消費者が多いのかわかりません。

また、今回のニュースレターでいちばん衝撃的だったのは、パレスチナ・オリーブさんが仙台から甲府へ移転するという記事 でした。やっぱり、という思いはありました。というのも、代表の皆川さんは、震災直後に小学生低学年の一人息子さんを疎開に出し、2年近く離れ離れの生活をされていたからです。震災さえなければ、いえ原発事故さえなければ家族が引き裂かれることはなかったし、パレオりさんも仙台で事業を続けていくことができたのに。ご家族がいっしょに住めるようになってよかった、と思うと同時に、なんで何も悪いことしていない人たちが原発事故に翻弄されなければならないのか、という理不尽さが募ります。もちろんこういう例は東北にゴマンとあるはずです。ただ、皆川さんを知っているだけによけい強く感じてしまうのです。
このことでパレオりを退職するスタッフもおられるそうです。残念ですね。でも、私たちは甲府からおいしいパレスチナ・オリーブオイルを買うことはできるわけですから、引き続き注文して買い続けたいと思います。みなさんもパレスチナとパレオリさんの両方へのエールを込めて、ぜひおいしいパレスチナ・オリーブオイルを使ってくださいね。

先週末の雪と寒さに比べたら、きのうきょうと春を思わせる暖かさです。それで久々にマネキンを外へ出して撮影してきました。これはネパリバザーロさんのリバーシブル・コートワンピースです。表が草色、裏がベージュでどちらでも着れます。袖は右のように伸ばしても左のようにロールアップしてもOKです。コットン100%。2枚の生地を合わせてありますので、ふわっとした暖かさがあります。早くこんなコートワンピースで街を歩ける季節になってほしいですね。
(リバーシブル・コートワンピース ネパールより ¥16800)

シサム工房さんhttp://www.sisam.jp/ から春物衣料といっしょにバブーシュとサボが入荷しました。インド製で材質はレザーです。バブーシュとサボの違いは、バブーシュはかかとを踏んで履くタイプのもの、サボはかかとがないものです。
今回目新しいのは裏にゴムを貼ったものが登場したということです(右上)。これまでのものは裏がレザーのままだったので(そのとなり)外で履く場合など、地面が濡れていると滑る可能性がありました。外で履きたいお客様の声からゴムを貼ったものが生まれたというわけです。ただ、室内限定で履く場合は、ゴムなしのほうが軽くてよいというご意見も聞いています。 サイズもMとLの間のMMサイズができました。
3年前に私がはじめて仕入れの為京都のシサム工房を訪れたとき、スタッフのKさんがバブーシュを履いているのを見て、そのオシャレ感にひと目で気に入ったことを思い出します。 今では私もエスペーロ店内ではサボを履いています。
写真で見てもらうとわかるように、新しいものは白っぽい色をしていますが、時間とともに変化して1年ぐらいたつと左のような飴色に変わります。その変化が楽しめるのは、染色もしていない自然の革ならではですね。
(バブーシュ&サボ M.MM.L 裏なし¥5880 ゴム底¥6615)

エスペーロがいつもお世話になっているネパリ・バザーロさんhttp://nbazaro.org/wordpress/ はネパールの小規模生産者の産品をフェアトレードしている会社ですが、3.11以降はいち早く被災地へ入り息の長い支援活動を続けておられます。被災地でもフェアトレードの手法が生かされ、現地に仕事をつくり雇用をつくり観光資源にもしようという考えです。
そのうちのひとつが岩手県陸前高田市で作られ始めた「椿油」です。この地方で取れる気仙椿の実から採った油は昔から良質の油として有名。「食べて美味し使って良し」の椿油を私も食べてみました。サラダドレッシングにしましたらクセがなくてさらっとして本当においしかったです。なんでも植物油の中で一番多くオレイン酸を含むので体にもよいのだそうです。使って良しというので髪にもつけてみましたらしっとりとして艶が出ます。昔から椿油は鬢付け油として有名ですものね。
ちょうどそんな時、スキンヘッドでりっぱなあごひげのT先生が「シャンプー(髪ではなくひげ)の後にひげが広がって困るんだけどいいクリームないかな」とおっしゃるので、私はこれだ!と思っておすすめしました。きっと満足していただけることと思います。
椿油に合わせてレターセットやスタンプセットにも椿のシリーズができました。椿の赤が映えるとてもきれいな便箋と封筒です。椿のスタンプセットとバナナペーパーのはがきをお買い求めくださった70代の女性Tさんは、「これで寒中見舞いを出そうと思うの」。喪中はがきをもらった人達にも寒中見舞いとしてはがきを出されるのだそうです。温かい心遣いですよね。それも「雪のスタンプ(以前雪の結晶のスタンプもお買い上げ頂きました)ではちょっと寂しいかなと思って。椿なら元気が出そうでしょ」。
右側の二つの椿はブローチです。気仙沼の仮設住宅を応援しているNPOパラリンピック・キャラバンさんhttp://www.para-can.com/top.html から入荷したもので、貴重な古布で作ってあります。「ワセネデヤ」といいうブランド名は「わすれないでね」という東北地方の言葉です。
この他に、写真に入れるのを忘れましたが、椿の柄の小風呂敷もありますよ。
(椿油180g¥2835、椿の一筆箋10枚入り¥525、椿の封筒5枚入り¥630、 椿のスタンプセット¥1575、椿のブローチ¥2800)

アフリカのガーナを訪れた日本のごくごく普通の高校生と大学生が、現地の児童労働の実態を知り、フェアトレードに目覚め、帰国後人々に伝えるべく奮闘する、バレンタイン・シーズンにぴったりのドキュメンタリー映画を上映します。
http://acejapan.org/campaign/15th/story.html
この映画を観たあと、今年のバレンタインデーはいつもとちょっとちがうバレンタインデーになるかもしれません。
2回上映いたしますので、1回目の上映、あるいはパネルディスカッションからご参加ください。
『バレンタイン一揆』上映会 (主催:箕面フェアトレードの会「楓」)
☆日時:2月10日(日) 2回上映
1回目―13:30~上映(64min.)~14:34
パネルディスカッション (14:45~15:30)
フェアトレード・サマサマ事務局長 小吹岳志
大阪大学フェアトレード団体「プロム」代表 谷奈津美
フェアトレード雑貨エスペーロ店主 斎藤和子
司会 みのおフェアトレードの会「楓」代表 三浦弘志
2回目―15:40~上映(64min.) 16:44終了
会場でフェアトレードチョコレートの販売あり。
☆場所:箕面市民活動センター 多目的室
〒562-0013 大阪府箕面市坊島4丁目5−20 ヴィソラWEST−1 2F ℡072-720-3386
☆参加費:一般 800円 高・大生 500円 小・中生 無料
☆申し込み・問い合わせ:エスペーロ(072-728-1221、info@espero-osaka.com)
(会場の定員に限りがありますので、前もってお申込みいただけるとあり がたいです)

朝いちばんに来られた二人連れはときどき聖書の話を伝えてくださるHさんとお友達です。若い頃の私なら頭からお断りするところですが、年齢を重ねた今では、これだけ世界に大きな力を及ぼしている聖書について客観的な立場から興味があります。Hさんはとてもよい方ですし、私が神の存在を信じていないことをお伝えしたうえで聖書の物語を聞かせてもらっています。
午後から来られた、今年喜寿(77歳)を迎えるMさんは最近健康に自信をなくしているようです。バリバリのキャリアウーマンのはしりだったMさんですが、少し気弱になられています。ここまで未婚できたため一人暮らし。これまでの人生をゆっくり語ってくださいました。看護師という職業柄日々出会う生命の神秘に答えを見いだせなくてキリスト教と出会ったことなどをMさんらしい飾らない率直さで話してくださったので、私も興味深くお聞きしました。
その次に来られたのは近所のお寺の奥様でした。75歳には見えない肌ツヤのよさの秘密は、毎日3時半に起きて5時頃から念仏を唱えながらウォーキングをされているところにあるようです。「子どもらに迷惑かけたくないでしょ」と言われるこの方は背筋もすっと伸びて年齢よりお若く見えます。
きょうはそんな具合で、とても宗教めいた一日でした。
5日から7日まで気仙沼の仮設住宅を訪れていた「パラリンピック・キャラバン」http://www014.upp.so-net.ne.jp/paracan/paracan/top.html の浜ちゃんが、またニット小物を持ち帰ってくれました。気仙沼はマイナス5℃の寒さだったそうです。
今やブランドにまで成長したワセネデヤとはちがって、気仙沼の鹿折中学校仮設住宅女子会で作られたニット作品は仮設の人たちが楽しみとして編んでいるものなので「売れたら売れたで嬉しいわ~」という乗りなのですが、なかなかどうして素敵な作品がたくさんあります。 そして女子会の人たちは誰の作品が売れたとしても共同でそのお金をプールして、先日もみなさんで日帰り温泉旅行を楽しまれたということでした。
女子会作品のひとつが、たとえばこのミニ座布団。スポーツ観戦時やバスを待つベンチでちょっと敷くと寒さを和らげてくれます。小さくたたんでバッグに入る優れもの。2枚の座布団をはぎ合わせてありますので適度な厚みがあります。 もちろん座布団ではなくお部屋のアクセントとしてもかわいらしいデザインですよ。
ところで、きょうもエスペーロですてきな偶然の出会いがありました。浜ちゃんとニット作品を広げてあれこれ話していた時にTさんが入ってこられました。Tさんはマラソンランナーなので、車いすマラソンランナーの浜ちゃんと話が合ったのです。そしてこの座布団が気に入ったTさんはさっそく1枚お買い上げくださいました。
こんなかわいい子ども用ケープも入りました。縄編みがきれいに入ったケープにうさぎさんとくまさんの編み編みモチーフが アップリケされています。幼児から小学生までいけると思います。
これを編んだ60代のじん子さんという女性の話は、聞けば聞くほどすごいです。夫とともに乗っていた車ごと津波をかぶったじん子さんは、水に沈む車の中で「後ろのドアは手動で開けられる」と気がつき手で窓を開けて外へ出ます。水面で大きく呼吸をしたじん子さんはもういちど水にもぐって窓から車の中へ手を伸ばし、運転席にいた夫を引っ張り出し、仮死状態だったのを蘇生させたというのですからすごいです。もともと背格好もがっちりで男勝りのじん子さんに対して小柄で優しい夫さんというノミの夫婦だったそうですが、命を助けてもらった夫さんはますます頭が上がらないのだとか。そんなじん子さんがこんなかわいいアップリケを作るのですから人ってわかりませんね。
(ミニざぶとん ¥1,000、 子ども用ケープ ¥2,500)

みなさまそれぞれによいお正月を過ごされたことと思います。私は家族が集まっていつもどおりのお正月でした。しかし、この「いつもどおり」こそがどれだけ有難いかを私たちはこの数年で知りました。
穏やかな日和に誘われて、2日はいつものコースを初ジョギング、3日はテリーといっしょに勝尾寺まで初詣ハイキングしました。途中野鳥に出会ったりしながら往復3時間の道のりです。
勝尾寺は箕面国定公園の山の頂きにあります。1300年の昔から勝運の寺として信仰を集めている名刹とあって、多くの人々で賑わっていました。
本殿にお詣りした後だるまのおみくじを買いました。去年は凶を引いたので今年は凶だけは避けたいと思って迷っていたら、おみくじを売っていたアルバイト(?)のお兄さんが「怖い顔をしたのは大吉もしくは大凶が入っている可能性があります」と言うので、無難な顔のだるまさんを選んだら、確かに無難な「吉」でした。勝尾寺の名前のように何かに勝ちたいとは思いませんが、「吉」ぐらいのほどほどさで今年も穏やかに過ごしていければいいなと思いながら山を下りました。
エスペーロとしての今年の抱負は、フェアトレードを広めることとフェアトレード商品をちゃんと売ることはもちろんですが、今年はぜひフェアトレードの生産者(ネパールかバングラデシュかはたまた中南米か・・・)を訪ねるツアーに参加したいと思っています。ちなみにおみくじでは「旅行―出立よし」「方角―西南方向をえらべ」とありますからやはりアジアですかね。