
もちろん、まじめに地道に貧困問題の解決に努力しているフェアトレードはたくさんあります。しかし一方で「倫理的ビジネス」のイメージだけを作って物を売るための推進力として使っている企業もあるのです。
この本で取り上げられているのは、ニカラグアのロブスター、フェアトレード先進国イギリスでのフェアトレード認証の問題、大手グローバル企業の下請けで働く中国の出稼ぎ労働者、死と直面しつつ鉱山にもぐるコンゴの労働者たちなどなど・・・表に出てこない苛酷な現実をレポートしています。
実はこの本には深い思い入れがあります。というのも、この本の翻訳作業に私自身が関わったからです。もちろんちゃんとした翻訳者さんが訳されているのですが、人はだれしもまちがうことがありますから、チェッカーという仕事があります。誤訳や訳抜けや内容のまちがいをチェックするものです。今回の内容がフェアトレードに関するものだったため、私が登録している翻訳会社がチェッカーの仕事を私に依頼してくれたというわけです。
約半年間の翻訳チェック作業はほんとうに楽しいものでした。内容もおもしろかったです。ぜひみなさんにも読んでいただきたいと思い、ご紹介いたします。エスペーロにも置いてあります。
UNFAIR TRADE フェアトレードのおかしな真実
僕は本当に良いビジネスを探す旅に出た(THE SHOCKING TRUTH BEHIND 'ETHICAL' BUSINESS)
著:コナー・ウッドマン 訳:松本裕
英治出版
¥1800+税