
どうして日本ではなくて中国やバングラデシュで作られる?それは人件費が安いからです。自分が着ている服のタグを見てください。かつてはmade in Chinaが圧倒的に多かったのですが、中国の人件費が上がってきた今では人件費がより安いバングラデシュへと工場は移ってきています。
GAP(アメリカ)H&M(スエーデン)ZARA(スペイン)ユニクロ(日本)などのグローバル企業はこのような途上国で安く衣料品を作って自分の国で売ります。人々は安いので気軽に買って気軽に捨てます。いつの頃からかこういった衣服はファストファッションと呼ばれるようになりました。
服を安く買えるのは一見いいことのように思われますが、もしそれらを作っている人が安い賃金で残業代ももらえず働いていたり、農薬まみれの畑で病気になりながら綿花を栽培しているとしたら、どうでしょう。あるいは皮革工場から出る汚染水で村の水が汚され、そのせいで皮膚病や障害を持って生まれる子どもが増加しているとしたら、どうでしょう。
それでもあなたはその衣服を身につけますか?という痛烈な問いかけがこの映画です。誰かの犠牲の上にできたものは身につけたくないですよね。
アンドリュー・モーガン監督がこの映画をつくったきっかけは、2013年4月にバングラデシュのダッカ郊外で起こった悲劇だったそうです。先進国のファストファッションを縫製しているラナ・プラザというビルが崩壊して1200人もの労働者が亡くなったのです。違法建築の危険な作業場で、多くの人々が人権を無視され安い給料で働かされている現実が世界からの非難を浴びました。
その後世界が忘れてしまいそうになる頃にこの映画ができたことを嬉しく思います。華やかなファッションの裏側にある現実に目を向けさせてくれる映画です。是非観てください。大阪・十三の第七芸術劇場では3月18日まで上映しています。詳細は↓
http://unitedpeople.jp/truecost/