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6月5日(日)かやぶき音楽堂 beautiful concert at an old Japanese house
2016/06/06(Mon) | お店日記 | page top↑
かやぶき音楽堂2お友達が誘ってくれて、ザイラー夫妻のかやぶきコンサートへ行ってきました。京都府北部、南丹市の小高い丘の上にそれはりっぱな茅葺きのお家が建っていて、そこがコンサートホールなのです。

ザイラー夫妻はドイツ人のエルンストさんと和子さんです。国内はもとより海外での演奏も多く、世界的に有名な演奏家です。ピアノをデュオ(連弾)で弾かれます。私は話には何度も聞いていたり新聞で読んだりしていましたが、実際にかやぶき音楽堂を訪ねるのは初めてのことでした。

プログラムの一番、シューマンの『東洋の絵』の最初のフレーズを聴いたとき、私の心はすでに喜びで震えているようでした。古い茅葺きのお家に響く音がとても優しくて温かくて平和に満ちていたからです。間に挟まれる解説からおふたりの人柄も伝わってきて、私はすっかりファンになりました。

なぜ田舎のかやぶきの家でコンサートなのかというと、おふたりは田舎が好き なのです。自分たちを「タンボニスト」と呼んで、お米作りや野菜作りもします。私たちの先入観からすると、著名な演奏家というものは、とくにピアニストは指が大切ですから、重いものすら持たないのではないかと思ってしまいますが、おふたりは田植えも稲刈りも、この家を作るときの大工仕事さえも楽しんでされたとか。エルンストさんは「音楽は自然の中でこそ」と言われます。「都会のコンクリートの中だけでいいものが生まれてくるはずありません。ピアニストの命は、手や指だけじゃなくて、心なんです。その心を育んでくれるのは豊かな自然です」。


かやぶき音楽堂1私たちは階段をあがった2階の席で演奏を聴きました。窓からは外の木々や竹林が見えています。シューマン、キルヒナー、ドボルザーク。連弾の演奏を聴くことも珍しいので「この作曲家たちの作品を誰かが連弾に編曲したのかな」と思っていましたら、あとでわかったことですが、著名な作曲家たちはいくつか連弾の曲も書いているのだそうです。昔ヨーロッパで庶民にも音楽が広まったとき、家にピアノを2台揃えることはむずかしい、それでは二人で1台のピアノを弾こう、ということになり、家庭の中で家族が楽しむのが連弾だったということで、なるほどと思いました。


そんなこんなを教本えてくれたのは、きょう図書館で借りてきたこの本です『ザイラー夫妻の晴耕雨奏』。かやぶき音楽堂を移築したときの苦労話も苦労ではなく楽しいエピソードになっています。村の人たちとのお付き合いや、世界を演奏旅行した時の驚きや感動がと ても興味深く、もう20年以上前に書かれた本なのに、少しも色あせず惹きつけられます。おふたりは素敵なエッセイストでもあるようです。

またいつか、お二人の演奏を自然の中で聴いてみたいと思います。

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