
府立能勢高校はエスペーロ能勢から車で10分のところにあります。自然に恵まれて農場を持っているので農業実習もあるというユニークな高校です。ただ町から遠く進学校ではないために、近年定員割れして廃校の危機も伝えられていました。
ところが2015年に文科省のSGH(Super Global High school)に選ばれ、一躍注目されることになりました。SGHとは、大学や国際機関と連携して国際的に活躍できる人材を重点的に育成する高校で、文科省からそのための予算が出ます。現在国内で123校あるSGHはほとんどが有名進学校。そこに能勢高校が割って入ることができたのは、それまで学校が培ってきた国際交流や留学生受け入れの実績があるからです。また、今年、能勢高校は豊中高校の分校として残ることが決定し、ひとまず廃校の危機は免れました。

そんな能勢高校のSGHの授業にお声かけいただいて、きょう私とテリーとでフェアトレードのお話 をしてきました。生徒さんたちはすでにこの夏 モンゴルに修学旅行に行って、ストリートチルドレンの現状を見たり養蜂ビジネスを見学したりしてきています。帰国後グループに分かれて研究している3つのテーマは①ストリートチルドレンの問題をどう解決するか②モンゴルのはちみつを持続可能なビジネスにしていくにはどうしたらよいか③能勢町を持続可能な形で活性化するにはどうしたらよいか。
私はフェアトレードの視点からいくつかの事例をあげてヒントになりそうなことをプレゼンテーションしました。日本の(能勢の)はちみつがある中でモンゴルのはちみつをどう差別化して売れるはちみつにしていくのか。価格?味?ラベル?まだまだ考えるポイントはありそうです。過疎や高齢化、耕作放棄地など、能勢町が抱える課題は全国津々浦々にあるしアジアの田舎にもあります。それらの共通点を探しながら、私が知っている国内外の取り組みを紹介しました。

エスペーロはなぜ能勢に移転したのか、なぜ町ではなく田舎がよいのか、についてはテリーの方からプレゼンしました。能勢には魅力がないと思っているかもしれない生徒さんに、能勢の魅力やほんとうの豊かさなどが少しは伝わったかな。エスペーロ能勢が開店したら能勢高校の生徒さんたちとの接点も多くなるはずです。「開店したら遊びに来てくださいね」と言ってしめくくりました。