
ケニアでは国土の5%のスラムに人口の60%の人々が住んでいて、その多くは1日1ドル以下(貧困ライン)で暮らす貧困層であること。貧困は連鎖して貧しい親の子どもはなかなか貧困から抜けられない。学校へ行くこともままならない。
それでも「学校へ行くこと」が彼らの最大の希望であると言われます。子どもたちは学校が大好き。勉強できることがうれしい。
チルドレンズ・ホームで暮らすのは孤児やストリートチルドレンだった子どもたちですが、スライドで見た子どもたちの顔はキラキラと輝いていてかわいいです。勉強の機会を得るとぐんぐん成長する子どももいて、国内弁論大会で2位に輝いたシナイくんの話をする時の照本さんの表情は嬉しく誇らしく愛情あふれた母親の顔でした。
数あるエピソードの中で二つのトイレの話は興味深かったです。ひとつは国際NGOが作ったコンクリートのトイレ。最初のうちはよかったけれどもだれも使いっぱなしで掃除をしないので汚れて誰も使わなくなった。もう一つ以前からあるトイレはわずかの金額で有料にして青年たちが交代で掃除をする。だれもがきれいなトイレが使いたいから有料でもこちらを使う。そこではビジネスが成立しているわけです。お仕着せの援助ではなくビジネスとして自立していく方が残っていく例です。
かわいそうだから何かをしてあげるのではない。自分が子どもたちから元気をもらっている。ご苦労はたくさんあると思うのですが、とても楽しそうにお話される菊本さんです。

寄付をもらうばかりでは自立できない。自分たちで何かを生み出す、というのでスラムのシングルマザーたちが作り始めたフェル トアニマルはエスペーロ能勢にも置いています。愛らしいだけでなくクオリティも高いクラフトです。きょうもゴリラとカメレオンがもらわれていきました。
30年間現地で子どもたちやシングルマザーとともに生きてこられた菊本さんは、草の根で平和を実践されている方と言えます。やはり私が尊敬するアフガニスタンの中村哲さんと同じだなと思いました。今日聞いた子どもたちのエピソードはどれも心打たれるものでした。さらにホームのことを知りたい方は菊本さんのブログをのぞいてみてください。https://ameblo.jp/scckenya/
