
このたび、このオリーブオイルを販売しているパレスチナ・オリーブ http://www.paleoli.org/ の皆川万葉さんが、ジャーナリストの高橋美香さんと共著で本を出版されました。『パレスチナのちいさないとなみ』という本です。副題の「働いている、生きている」という言葉が私の胸に響きます。皆川さんはいつも「日本ではパレスチナには紛争のイメージしかないかもしれないけど、そこには人々の笑いがあったり涙があったり、ふつうの生活があるのです」と言われます。

表紙のこのカラフルな写真を見てください。ナーブルスという町で手押し車を押すキャンディー屋さ んのおじさんです。子どもたちが犠牲祭のお祭りに買ってもらうお菓子を売っているのだそうです。他にも漁師さん、パン屋さん、荷運び屋さん、床屋さんなど、パレスチナに暮らす人々の日常が高橋美香さんの素敵な写真とともに紹介されています。
本の後半は皆川さんが担当で、オリーブオイルやせっけんや刺繍をつくっている生産者さん達のことが書かれています。皆川さんは毎年パレスチナを訪問して、その様子をニュースレターで報告されています。分離壁や厳しい検問があって、イスラエルのいやがらせもあって、人や物が自由に移動できない状況のパレスチナの人々が、それでもユーモアを忘れないでたくましく生活している様子がよくわかります。

オリーブオイルの生産者団体である「ガリラヤのシンディアナ」では、ユダヤ人とアラブ人が一緒に働いています。考えてみれば、私がフェアトレードショップを始めるきっかけとなったのは「ガリラヤのシンディアナ」を立ち上げたユダヤ人のハダスさんとアラブ・パレスチナ人のサーミヤさんが来日した時の講演集『パレスチナ/イスラエルの女たちは語る』という本を読んで感動したからでした。
パレスチナ・オリーブからはオリーブオイルの他に、このエクストラバージンオイルで作ったオリーブオイルせっけんが入荷します。頭のてっぺんから足の先まですべて洗えるしっとり使い心地のよいせっけんです。ちいさないとなみの本の中ではせっけん工場主のマジュタバさんのことも紹介されています。

イドナ村という村では女性たちが組合を作ってこんな美しい刺繍を作っています。エスペーロ能勢にもフラワー刺繍のポーチがいく つかありますよ。大学を出ても、イスラエルの抑圧の中でなかなか仕事につけない女性たちにとって、大切な収入源になっているということです(写真はパレスチナ・オリーブのHPより)。