
バリ島には日本人学校がありません。企業が少なく日本人学校を作るだけの日本人子女がいないためです。
しかし日本人のお母さんとインドネシア人のお父さんの国際結婚による子女は多く、ずっとバリに住み続けるとはいえ、やはり半分のルーツである日本人としての日本語と日本文化を身に付けてほしいというのは、親としての当然の気持ちでした。
そこで日本人会の尽力で1990年に作られたのがバリ日本語補習授業校です。今年は創立32年を迎えます。(写真はFBからいただきました)多くのダブルの子どもたちが、現地校が終わってから補習校で国語と算数を学んでいます。
我が家の二女も中学生の間は、インターナショナルスクールに通いながら補習校で週2回お世話になっていました。国語と数学を学ぶだけでなく、精神的にもどれだけ助けられたかわかりません。

今回補習校を訪れると、たまたま維持会の会議の日で、なつかしい方々に会うことができました。20年前に5年間駐在しただけの私たち をとても温かく迎えてくださいました。みなさん、バリ在住何十年、バリ日本人会を支えてくださっている重鎮です。写真の背景に写っている看板は、当時補習校校長(ボランティア)と習字の先生をしていたテリーさんが書いたものです。
もうひとつ、私たちと補習校を切っても切れないものにしているのは、補習校の「校歌」です。帰国後の私たちの元へ補習校から「校歌の作詞をしてほしい」というご依頼がありました。曲はもうできていて、世界的に有名な竹ガムラン奏者イ・クトゥット・スウエントラさん(2018年没)の作曲でした。

それからの作業はとても楽しいものでした。バリの海や空や子どもたちの顔を思い浮かべながら、こんなにも豊かな島で育ったみんなだから国境を超えて大きくはばたいてほしいという思いで言葉を紡ぎました。以下はその歌詞です。メロディはこちらから聴くことができます↓
https://www.youtube.com/watch?v=7zG-doAQXBI
作詞:斎藤輝久・和子
作曲:クトゥット スウェントラ&斎藤和宏
1.みどりの風さわやかな学び舎に 明るい歌声が響き合い
新しい未来を拓くため 日本とバリと世界をつなぐ補習校
◆ 花のかおり 誇りたかき島に満ちあふれ 清き流れ 深きめぐみ 大地をうるおして
ああ サヌールの海 蒼くあれ われらのびゆく 地球の子
2.椰子の木々見上げればおおぞらの 輝く太陽が呼びかける
ガルーダのように高く飛べ 日本とバリと世界をつなぐ補習校
◆ (繰り返し)
ああ アグンの山よ 永久にあれ われらはばたく 地球の子
3.ブーゲンビリアの花が ささやくよ やさしいこころと祈りのこころ
平和な地球をつくるため 日本とバリと世界をつなぐ補習校
◆ (繰り返し)
ああ バリの空よ 美しくあれ われら希望の 地球の子
バリ日本語補習校は、幼、小、中を合わせて300名以上だった時代もありましたが、今はコロナ禍で仕事を失い日本へ帰国する人が増え、約半分になっているそうです。そうすると経営もなかなか大変で、バリ好きな人、バリにつながりがある人達からの寄付を受け付けています。お気持ちのある方はぜひお問い合わせください。https://jjcbali.jimdofree.com/