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3.11をいわき市で迎えました 8 years after tsunami
2019/03/11(Mon) | お店日記 | page top↑
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シャプラニール=市民による国際協力の会 主催のいわきツアーが今年もまた開催されました。私にとっては震災後4度目のいわき、久しぶりのいわき訪問でした。シャプラニールは震災後いち早くいわきに拠点を置いて被災者支援に取り組みました。活動を終えたあとも、こうして毎年いわきツアーを開催しています。




1日目は木田オリーブ園を訪問しました。2012年に続いて2度目の訪問でした。震災木田オリーブ園後福島の野菜は売れなくなりまし たが、オリーブは放射能を吸い上げません。木田オリーブ園は放射線検査をクリアしてオリーブ茶やオリーブ麺を作っています。私たちはオリーブの枝から葉っぱをはずす作業を手伝いました。いくらの手伝いにもならなかったと思いますが、木田さんは「みなさんが来てくれて嬉しい」と言ってくださいました。なんだか孤軍奮闘に見えた木田さんですが、がんばってほしいと思います。


懇親会@古滝屋 この日の宿泊は創業300年を誇る源泉かけ流しの古滝屋さん。ツアー参加者だけでなく、いわきでシャプラニールの活動に関わった旧知の方々が集まって交流しました。双葉郡の原発避難者を受け入れたいわき市では地元被災者と原発避難者との間で補償金がらみの軋轢があって人間不信に陥ることもありました。そんな中にあって交流の場所づくりをしたシャプラニールとシャプラニールにつながる人々の働きは大きかったと思います。

帰還困難区域
2日目は田中美奈子さんのガイドで富岡町を案内してもらいました。富岡町は帰還が始まっている地域と放射線量が高くてまだ帰れ ない地域が混在しています。昨年4月に帰還が許可された後も1万3千人いた町民のうち帰ったのはわずか890人ということでした。田中さん自身も富岡町の家を解体してすでにいわき市に家を建てていて、もう帰ることはないと言われていました。




無人の道私たちが見た富岡町は、帰還地域でもひと気はなく、桜で有名な夜の森は立 ち入り禁止になっていました。









第2原発福島第二原発を見渡せる地点にも行きました。第一原発は海側にあった電源を喪失しましたが第二原発は山側にあったので爆発しなくてすみました。しかしすでに廃炉は決まっています。



富岡駅富岡駅にも行きました。常磐線は今この駅までつながっています。駅の売店でトマトラーメンと浪江やきそばを買いました。滋賀県の彦根東高校の新聞部の生徒さん達と会いました。震災後8年目の富岡町を取材に来ていたのです。

ガイドをしてくださった田中美奈子さんは本当にパワフルな方で「起こってしまったものはしかたがない。元気を出していくしかない」と「すみれ会」という女性の自治会を組織してみんなが孤立しないで元気に生活するためのリーダーになっておられます。震災当時はブライダル会社の支配人という要職にいましたが、震災後いわきから1時間半かけて富岡町に通い帰還した人たちのための「定食屋」をやっていた時期もあります。今は震災を伝える語り部として「頼まれたらどこでも話する」そうです。すごいな、田中さん。

田中さんやシャプラニール連絡会の吉田夫妻とお別れして、小名浜にあるララ・ミューでお昼を食べてツアーは解散になりましたが、ツアーのうち5人は古滝屋さんにもう1泊することにしました。

それで、そのあと私たちが足を伸ばしたのは豊間の大工さん志賀さんのところでした。いわきへ来る橋本さん宅でと必ず立ち寄るところであり、最初に震災の話をいろいろ教えてくれた人でもあります。豊間は道路が新しくなり高い防波堤ができて、すっかり様変わりしていました。「海が見えなくなった」と志賀さんは寂しそうでした。志賀さんの隣の橋本さんが「まあ、あがって、あがって」と私たちを招き入れてくれて、それから6時ぐらいまでお茶をいただきながら話し込みました。今は解体された豊間中学校の写真や豊間の海のキャンドルナイトの写真などを見ながら話題は尽きません。豊間中学校の津波ピアノは修復されて全国を巡回して演奏され(私は大阪で聴きました)なんと紅白歌合戦でも紹介されたのです。

虹を この晩、私と大阪組の友人とでフラガールのステージを観に行きました。ここへ行くのは3度目です。いちばん観たかった「虹を」はやはり感動でした。https://www.youtube.com/watch?v=yZ5d77m9kd0





共に生きるそしてきょうの朝。常磐線の時刻まで少し時間があった私たちはいわき市の遠野にある「金澤翔子美術館」へ行きたいと思いまし た。すると古滝屋さんの若旦那里見さんが「一緒に行きましょう」と古滝屋さんのスタッフさんも一緒に連れて行ってくださったのです。金澤翔子さんの生き方も書も素晴らしく、たいへん心打たれました。そしてみんなで記念撮影したのがこの一枚です。「共に生きる」という、この日にもっともふさわしい書であったと思います。

この3日間お世話になったシャプラニールのみなさん、いわきのみなさん、古滝屋さん、ありがとうございました。

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