
舞台はフィリピンのルソン島北部。バギオという標高1500mの天空都市がありますが、そこからさらに山深く入った森で野鳥とコーヒー栽培に出会った高濱さんのおはなしでした。

この地域では環境NGO「コーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)」https://www.cordilleragreen.net/ が活動しています。かつては畑を焼き払って手っ取り早いサヨテ(はやとうり)の単一栽培をしていた地域にコーヒーの木を植えています。コーヒーの木は木陰をつくるシェードツリーを必要としますので、コーヒーの木だけではなくさまざまな果樹や野菜も同時に栽培します。森林農法と言います。そのことで地域の自然はもどり、生産も豊かになってきました。
実は、私たち夫婦も2年前にこのコーヒー農園を訪問してコーヒーの収穫を体験させてもらいました。そしてきょうのおはなし会の参加者の方たちの何人かはCGNを訪問した人たちでした。私たちは、自分たちが訪ねたコーヒーの森を思い出しながら美しいスライドを見てお話に聞き入りました。
高濱さんのお話のあと、参加者がそれぞれにマイクを持って思いを語りました。フィリピンに住んだことがある人、フィリピンが好きな人、フィリピン人のお友達がいる人、フィリピンのコーヒーが好きな人。
そうなんです。このフィリピンのコーヒーはシサム工房さんを通してシサムコーヒーとしてエスペーロ能勢でも販売しています。美味しいコーヒーです。ぜひご賞味ください。https://www.binchoutan.com/sisam-coffee/index.html
コロナの時期に密を避けて定員を限定してのおはなし会でした。そういえば、お話の中で私たちの胸に残ったエピソードがあります。フィリピンでもコロナで食糧が手に入りにくくなったとき、野鳥の棲むこの地域の村長さんが言ったそうです。「私たちの村は昔から持てる者が持たざるものに分け与える習慣があります。どんなに大変な時でもそれは生きています。政府の米は都会の貧しい人たちにあげてください」。これからコロナのような非常時には、このようなコミュニティーがいかに大切になるかを考えさせられました。
ご参加くださった皆さん(遠くからの方も多かったです)、高濱浩子さん、ありがとうございました。素敵な笑顔の高濱浩子さんの写真は参加者の太田さんからいただきました。