
エスペーロが「希望」という意味のエスペラント語であることはホームページでも紹介しているが、そのことが思わぬ波紋を広げている。
先日来、日本エスペラント協会の方が何人かメールをくださった。店の名前にエスペラント語を採用してもらってうれしい、フェアトレードの精神に合っている、というような内容だった。遠くははるかニューヨーク在住の日本人女性からもメールをいただいた。
・・・思わずエールを送りたくなってメールさせていただきました。私自身フェアトレードや環境保全にたいへん興味があり、またエスペラントを身につけたおかげでNYや外国に友人がたくさんできたこともあり、エスペラント語の「希望」の名のもとでフェアトレードを推進していらっしゃる貴店には、とても親しみを感じます・・・
そしてきょう、高校生以来(40年?)のエスペランチスト(エスペラント語を話す人)というMさんがエスペーロに来てくださって、エスペラント語の話題でずいぶんもりあがった。一時は衰退の道を行くかと思われたエスペラント語が、今ネットの発達で元気を盛り返しているのだそうだ。世界のエスペランチストとメールやチャットでつながれるようになった。Mさんもスカイプを使って、韓国や中国のエスペランチストと会話を楽しんでいるそうだ。エスペラント語はみんなに共通の人工語なので、たとえば英語人に英語で話す時のような気後れはまったくないということだ。
ちょうど今読んでいる田中克彦著「エスペラント―異端の言語」の中で、エスペラント語が生まれたいきさつを次のように書いている。
・・・特定の強国のできあいの言語ではなく、どの国の言語でもない中立の新しい言語をつくって、すべての国の代表がこうしてつくられた公平で中立の国際語を使うようにすれば、ことばによる不平等不公平がなくなると考える人たちがあらわれた・・・
実際、日本でも新渡戸稲造、柳田国男、宮沢賢治などはエスペランチストだったそうだ。
いっぽうで、国境を越えるというか国境をはずしてしまうエスペラント語は危険な言語であるとして、スターリンやヒットラーによって弾圧された歴史もある。
その作られた理由がとても魅力的なエスペラント語。思いがけずご近所だということがわかったMさんが、こんどテキストを持ってきてくださるそうだ。ああ、またはまってしまうかも・・・