
きょうはクリスマス・イブでした。子どもが大きくなるとクリスマスもビッグ・イベントではなくなってきます。でも我が家では孫のところにささやかなプレゼントを送りますので、孫たちは「サンタさんは2つプレゼントを持ってきてくれる」と思っているようです。

エスペーロでもきょうはプレゼントを買うお客様が多かったと思います。全部がクリスマスプレゼントというわけではなく、お世話になった方へのプレゼントとか自分自身へのプレゼントとか。なんと私自身もお客様からプレゼントをいただきました。開けてびっくり。数日前にそのお客様がエスペーロで買ってくださったものでした。ネックレスの中から「どれが一番好き?」カードの中から「どれが一番好き?」と聞かれた訳が今わかりました。大事に使わせていただきます。

そして、きょうのエスペーロは夕方からミニライブ会場になりました。1週間前私が留守の時に、エスペーロにしてはめずらしく男4人がお茶を飲みながら話した時間がありました。テリーと友達のNさんとご近所のYさんともうひとりはエスペーロの裏のお弁当屋さん「あっとほーむ」で働くHさん(33歳男性)です。11月17日の日記
http://espero0osaka.blog118.fc2.com/blog-date-20111117.html でもご紹介しましたが心の病を持つ人たちが働く作業所です。とてもおいしいお弁当を作ってくれます。

その時の話でHさんがギターを弾いて歌うというので、それならみんなでその歌を聴こうということが決まったのだそうです。それできょうの4時からエスペーロのせまい店内がミニライブ会場になりました。私たち夫婦以外にNさん、Oさん、Fさんの総勢5人がオーディエンスとして集まりました。Hさんの歌はすべてオリジナルです。決してじょうずというのではないけれども心の底からほとばしる言葉が印象的でした。中でも最後に歌った「パオSOS」という歌にはストーリーがあります。

今から8年ほど前に「パオみのお」という精神障害者支援事業所を箕面市西部のある地区に移転する計画がありました。しかしそれに対して地区の住民から激しい反対運動が起こったのです。何か事件が起こるのではないか(附属池田小学校の殺傷事件が尾をひいていました)、環境が悪くなる、地価が下がるというような意見があったそうです。Hさんはその時の怒り、悲しみの気持ちをこの「パオSOS」という歌に込めました。いわばプロテストソングです。

けっきょく他の理由もつけてこの移転計画はなくなり別の市の施設の中に移転しました。「人権の街みのお」でもこういうことがあります。障害を持った人たちが街の中に溶け込んでいっしょに生活していくためにはまだまだハードルを越えなければいけないようです。

きょうのミニライブはひとつ小さなハードルを越える試みになったかなと思います。それに何より、これといって目新しいことがないおじさんおばさんのクリスマスイブをHさんのギターと歌が特別なものにしてくれたことに感謝しました。