
ガソリンが手に入るようになると、和合さんは被災地を取材しながら詩を書き続けました。そして自ずと現地の人たちの話にも耳を傾けるようになり、その聞き書きをまとめたのがこの本です。
実はこの25人の証言の中に、私が先日いわきでお会いした志賀さんの証言が入っています。それで、まず私は志賀さんのページを読みました。いわき市豊間の浜で聞いた志賀さんの声が聞こえてくるようでした。そしてあの時と同じように感銘を受けました。
和合さんは「まえがき」の中で「一人一人の体験に裏打ちされた言葉は、そのどれもが真理であり、体ぐるみの強さがあった」と書いています。それはまったく、私が志賀さんに対して抱いた感想と重なります。
「ふるさとをあきらめない」。なんと悲しくも強い言葉でしょうか。私は今、他の24人の方々の証言を、心を静かにしてゆっくりと読み続けています。