
滋子さんはかつて31年間、パーキンソン病の夫の介護をしました。介護生活と言うと苦しい悲しい響きがありますが、滋子さんの介護は常に明るく前向きで、問題解決型で、他の人に助けを求め、感謝し、自宅敷地内で「ねたきりにならない教室」を開催して多くの仲間たちと介護について工夫を重ねました。
介護に役立つと思えば大学の通信教育で学ぶし、保母の資格を取って生かすし、お医者様には徹底的に質問します。患者である夫さんはとても「よい病人」だったそうで、たいてい前向きに合理的に病気と向き合ってこられたそうです。
東京によい医者がいると聞けば滋子さんは愛車マークⅡを走らせて夫さんを連れて行きました。愛知県によい治療法があると聞けば1年アパートを借りて移り住みました。常に一生懸命です。
なかなか上手く伝えられませんが、滋子さんを知る方ならわかってくださるでしょう。夫さんが亡くなられた後も、介護に疲れた人々が滋子さんを慕ってお宅に集まります。滋子さんは現在85歳、とても賢くてとてもかわいらしいおばあちゃまです。こういうふうに年を取りたいなあと私などは思います。しかし、ひとつ決定的に私にないものは宗教心です。滋子さんは敬虔なキリスト者で常に神に感謝し神に守られていると感じておられます。人間の小ささをよく知りすべてを神にゆだねることで大きな安心感を得られているように私には見えます。
滋子さんのご本『それでも希望がある』を読みました。そして今2冊目のご本『にもかかわらず希望がある』も一気に読みました。何度か絶望的な場面に直面したり、時には暴走することもあったけれども、常に前を向いて一生懸命生きてきた滋子さんの記録です。2冊目はエスペーロにも置いてあります。ご希望の方はお問い合わせください。