
講演者は環境ジャーナリストで「グリーン・アクション」代表のアイリーン・美緒子・スミスさん。かつて夫の写真家ユージン・スミスさんとともに日本の「水俣」を世界に知らしめた方です。ユージン・スミスさんは残念ながら早くに亡くなられてしまいましたが、その後アイリーンさんは環境活動家として日本、アメリカ、そして世界で活動してこられました。
私が彼女をすごいなと思うのは、水俣の時は水俣に、スリーマイル事故の時はスリーマイルに自ら住み込んで、聞き取り調査を行い現地から発信したということです。原発の問題も30年も取り組んできているわけです。
日本とアメリカに拠点を持ち、世界とのネットワークも持っておられるので、広い視点で問題を捉えることができます。ニューヨークで福島の被災者が現実を訴える集会などもオーガナイズしてこられました。原発に関して、国内のマスコミがなかなか真実を伝えず政府のアクションもスローでふらふらしているような状況の中では、むしろ国際的に外国からプレッシャーをかけてもらうのが効果的なのではないかと思います。日本の原発事故は世界にも迷惑をかけているのですから。アイリーンさんによると「世界中の再生エネルギーの発電量は、去年とうとう原発の発電量を追い越した」そうです。知りませんでした。希望が持てる話ですね。
そこで次の日曜日に箕面で行われるもうひとつの講演会をご紹介します。「みのおピースフェスタ2012」です。箕面市内で平和を目指した活動をする団体が30団体集まって毎年行っているイベントで、エスペーロも参加しています。今年の講演はジャーナリストの伊藤千尋さんによる『3.11後の新しい社会をどう創るか』。私は以前伊藤さんのお話を聞いたことがありますが「富士山の麓にある自衛隊の演習場をぜんぶ温泉にすればいいですねえ」と話がとても楽しいし「日本には地熱発電というすぐれた選択肢がある」と新しいエネルギーの話もしてくださいます。ぜひ箕面近郊の方、参加してくださいね。エスペーロにもチケットを置いています。詳細はこちらから。
http://espero-osaka.com/img/peacefesta2012.pdf
最後にアイリーン・スミスさんについてのこぼれ話をひとつ。20年前友人のSさんが大学生だった時、アイリーンさんはその大学の英語の先生だったそうです。ちょうどその頃福井の原発訴訟に関わっていたアイリーンさんは、学生たちに「福井まで裁判の傍聴に来たら単位をあげる」と言ったそうです。Sさんはもちろん行きました。アイリーンさん、かっこいいですね!