
先日の定休日を利用して梅田までこの映画を観に行ってきました。沖縄の本土復年帰40年を記念して昨年作られた映画です。1959年に石川市(現在のうるま市)の宮森小学校に米軍戦闘機が墜落し、児童など17名が死亡した事件がありました。また2004年には沖縄国際大学のキャンパスに米軍ヘリが墜落しました。さいわいこの時には犠牲者は出ませんでしたが、沖縄の人々は日常的にこのような危険な空の下で生活しているのです。この映画はかつて宮森小学校で事故に遭ったおじいと沖縄国際大学生でこの問題に取り組もうとする孫を中心に、展開していきます。
こう書きながら、宮森小学校の事故と沖国大の事故のことを知っている人が本土の人間のどれだけいるだろう、と考えています。私にはYさんという沖縄出身で沖縄の現状を訴えるべくもう何年も活動している友人がいますので、これらの事件も知っています。本土の人たちが知らないのはマスコミが小さくしか取り上げないからです。沖縄の新聞には一面に大きく出ている記事が本土ではちっぽけな記事になります。これは福島や東北被災地の記事でも同じことです。福島から送られてくる米の詰め物にされた「福島民友」などを読みますと、他府県が被災地を忘れていくスピードをまざまざと感じてしまいます。
さて、その映画『ひまわり』ですが、とてもいい映画でした。おじい役の長塚京三もいいですし、脇役のほとんどを沖縄出身の俳優さんが固めているのも安定感があります。1950年代の映像を取り入れているのもリアルですし、現代の大学生の活動がネットの中傷などでうまく進んでいかないのも現代的な課題です。実際、涙なくしては観られないのですが、押しつけがましくなく観る者の心に静かに訴えかけてくる映画だと思います。
実はこの映画を今秋箕面市で自主上映しようという企画があります。まだ企画段階ですが、ぜひ実現させて多くの方に観ていただきたいと思っています。沖縄をけっして沖縄だけの問題にしてはいけません。福島をけっして福島だけの問題にできないのと同じように。
映画『ひまわり』ホームページ http://www.ggvp.net/himawari/