
土曜日というのに、ひま~なエスペーロです。そんな時はたいていつばめのひなを見上げているか、新聞を読んでいるか、歌の練習をしています。それで、昨日と今日の朝日新聞から、感動した記事3点のご紹介です。
まず小学生俳人の話。小林凛くん(俳号・12歳)は944gの未熟児で生まれ、小さいために小学校でいじめを受けますが、俳句を詠むことで自信がつきまた学校へ行くようになりました。ここまでならよくある話かもしれませんが、その俳句が素晴らしい。スケールの大きな感動的な句です。ご紹介します。
(いじめで耐え切れないとき) 生まれしを幸かと聞かれ春の宵
(朝日俳壇に初投稿して入選) 紅葉で神が染めたる天地かな
(いじめで学校へ行けないとき) いじめられ行きたし行けぬ春の雨
(101歳の日野原重明さんへ送る) 百歳は僕の十倍天高し
(いじめっ子に謝られて) 仲直り桜吹雪の奇跡かな
☆高知名物・エチオピア饅頭の話。知る人ぞ知る高知名物「エチオピア饅頭」。大正8年創業の和菓子屋創業者が、ある日「エチオピアがイタリアに侵略されたときのニュース映画を見て、勇敢に戦うエチオピア人たちの姿に感動し、店の黒糖まんじゅうに名前をもらった」のが始まりだそうです。エチオピアとは何~の関係もない黒糖饅頭ですが、店主の直感で名付けられ、人々に愛され広まっていきました。このたび三代目さんが亡くなられて残念ながら閉店の運びとなったというニュースでした。つい最近、有川浩の『県庁おもてなし課』を読んで映画も観たばかりですが、やりますね、高知県。
☆福島県出身の小説家、古川日出男さんが「小説家として被災地故郷のために何かできないか」と宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』をオリジナルの朗読劇に書き下ろしました。「劇は賢治の物語に、小説家、詩人、音楽家、翻訳家という現実世界の役柄が交錯しながら進んでいく」のですが、それらをほんものの小説家、詩人、音楽家、翻訳家が演じています。翻訳家は私が密かに敬愛する柴田元幸さん。これは観に行かねばと申し込むとまだチケットはありそう。というわけで、来週火曜日は少しだけ店を早仕舞いして心斎橋まで朗読劇を観に行ってきます。それぞれの人々がそれぞれの持ち場で被災地と関わり続けていることに、劇を観る前から感動しています。