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7月28日(日)エスペーロ3年目の迷い
2013/07/28(Sun) | お店日記 | page top↑
事の発端はエスペーロから5軒東側の店舗が空いてテナント募集広告が出たことでした。マンションの1階に並ぶ7軒の店舗のうちのひとつです。今の店舗に比べて約3倍の広さ。ハンガーポールも試着室もキッチンもあって、少しリフォームすればそのまま使えそうな雰囲気でした。テ-ブルを置けば10人ぐらいは座れるスペースも作れそうです。

ここのところエスペーロは「夏枯れ」の感があって、店主の私は何とか人を呼び込むしかけを考えていました。もう少しスペースさえあれば、ミニトークイベント、手芸や語学のワークショップ、映画会などができるかもしれないし、家で遊んでいるピアノを運び込んでミニコンサートもできるんじゃないかな・・・妄想は膨らみます。いろんな人が出入りするマルチスペース。そうすれば来てくれた人がお買い物もしてくれるし、もし売り上げがそれほど伸びなくても別な意味での存在価値が生まれるだろうと思ったのです。

もちろんリフォーム費用がかかるし毎月の固定費は増額になりますが、「起死回生」を訴える私の思いつめた表情に折れたのか、連れ合いのテリーも「じゃあ、やってみるか」と出資のオファーもしてくれました。そして現場に足を運ぶこと数回。まわりの友人たちに相談すると、心優しき彼らは私の壮大なる計画に少々不安を感じながらもいっしょに夢見て賛成してくれます。私の気持ちが8割がた傾いたところで、3年前にエスペーロのリフォームを手掛けてくれたSくんに相談を持ちかけました。さっそくSくんが来てくれて、新物件のあれこれをチェックしながらレイアウトの図面を落としてみてくれることになりました。
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ところが、です。夜も8時近くになってSくんとテリーと3人で歩いてエスペーロに戻ってきた私は、夕闇に浮かぶエスペーロの前に立ってガーンとノックアウトされた気持ちでした。エスペーロがこれまでになく愛おしくかわいく愛着を持って私の心に飛び込んできたのです。エスペーロは、まるで「私を置いて行かないで」と言っているようでした。その時、そうだ、これまでお客様に愛されてきたこのスペースをそんなに簡単に明け渡してはいけない、と気がつきました。きっと「こっちの方がよかったのに」と言うお客様も多いにちがいありません。

その晩遅くにSくんに「計画撤回!」のメールを送りました。彼の返事は「正直ほっとした」ようでした。なぜなら彼は3年前にエスペーロを作るときに「この小さな中でもなんとか良いものを作りたいというアイデアと気持ちを沢山詰めて」くれており、新しいところでエスペーロらしさを出すのはむずかしいと考えていたからです。

私は結婚以来ずっと転勤族の妻として3,4年の周期で引っ越しをしてきましたので「3年経つとなんかむずむずしてくるのよねえ」と言って、話を聞いてくれたY子さんに大笑いされましたが、今回のこの件はひとまず一件落着です。

「狭いながらも楽しい我が家~♪」という歌がありましたが、エスペーロは狭ければ狭いなりの、また「小商い」なら「小商い」なりの工夫をしていくことにします。あと何年続くかわかりませんが、みなさま今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


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